シュナの旅/宮崎駿
スタジオジブリ設立前に描かれた、宮崎駿監督の原点ともいえる作品
宮崎駿監督が「この民話のアニメーション化がひとつの夢だった」と語りながらいまだ映像化されていない、チベットの民話「犬になった王子」をもとに描き下ろされた物語。オールカラー水彩イラストと詩文で構成されています。
貧しい国の王子である主人公シュナが、人々のためにはるか西方にあるという「黄金の穀物」が実る地を目指して旅をするというお話です。旅の途中で、自分の無力さや孤独を感じ立ち止まりそうになりながらも、「民が豊かに平和に暮らせる国にしたい」という強い信念から、立ちはだかる困難を乗り越えていくシュナに、どんな状況にあっても生きようとする人間のたくましさや、生きることについて深く考えさせられ、ときに勇気をもらいます。
「やせた大地はわずかな実りすら出ししぶる」「すばらしい速力で天空をよぎって行く」など…
必要最低限で確実に心に浸透する言葉は、無慈悲で残酷な自然の脅威を映像で鑑賞しているかのような説得力があります。
宮崎駿監督の原点ともいえる本書は、スタジオジブリ設立前である1983年に刊行され、なんと99刷!
民話の持つ神秘的な物語の力に宮崎駿監督の唯一無二の視点が加わって出来上がった本書は、困難を乗り越えてきた大人にこそ読んでほしい1冊です。
シュナの旅/宮崎駿
著者:宮崎駿
出版社:徳間書店
ページ数:152ページ
仕様:文庫判
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