杉本さなえ作品集『石を放す』[お取寄商品]
展覧会のための描き下ろしアート作品25点を収録した、300部限定の作品集
鎌倉にあるギャラリー「gallery kaspar(ギャラリーカスパール)」にて、2023年12月に開催された杉本さなえさんの個展『石を放す』。
本展のために書き下ろした絵画作品を収録した作品集が、300部限定で刊行されました。
函入り
函の背には箔押しでタイトル字が記されています。
クロス装で美しい作品集。展覧会への入り口のような表紙です。
〔statement〕
深い森の奥に湖がある
ときどきそこに行く
石を放しに行く
わたしは一人掛けのソファーに座り、両足をスツールに乗せる。
胸にクッションを抱えて目を閉じる。そして森を想像する。
木々は鬱蒼としていて、空気が重たい。生き物の気配はない。
森の中心には湖があり、その水は温かく暗く濁っている。
わたしは無数の石を腕に抱えている。
化石のような、何かの欠片のような、白い石だ。
それらをひとつずつ湖に放っていく。
石は、とぷん…とぷん…と水中に沈んでいく。泡を吐きながらひらひらと沈んでいく。
そうしているうちに、湖の水は少しずつ青くなっていく。
石が沈んでいく様子が長く見えるようになる。
水が冷たく透明になる頃、おだやかな風が吹き、木々の葉ずれの音が耳に届く。
わたしはひざまずき、湖の水を手のひらですくい、満足するまで飲む。
衣服は心地良く、額は涼しく、頭上で鳥のさえずりが聴こえる。
踏みしめた足元から草の香りが立ち昇る
作品集には、展示された25点の作品と、テキスト2点を収録。さらに、手書きのドローイングが1点同封されています。
墨色と朱色のみで精緻に表現される杉本さなえさんの世界。
その原画の素晴らしさを作品集で表現するにあたり、最も適した印刷方法や紙種にこだわって制作されました。
そうして高い精度で再現された杉本さんの作品と対峙すると、心の中に心地よい緊張感と静寂が訪れ、1枚の絵の、その奥に広がっている物語の世界に没入するような鑑賞体験をすることができます。
オリジナルのドローイング作品は、杉本さなえさんが描いたそれぞれ1点もの。その筆致からアーティストの息吹、エネルギーを感じてみてください。
杉本さなえ
鳥取出身。2018年から福岡を拠点に活動。古い時代の小説、少女や花、動物などをモチーフとし、近年は墨汁の黒と朱の2色のみで描く作品を発表している。
杉本さなえ作品集『石を放す』[お取寄商品]
著者:杉本さなえ
発行:gallery kaspar
ページ数:64ページ
仕様:約20.4×27.5×2cm(函に入ったサイズ)
クロス貼 角背上製本
作品集限定オリジナル原画1枚、本体ケース付
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photo:飯貝拓司(8-20枚目)
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