平山英三・平山和子 自然・造形・絵本の世界を歩いた二人の画家
絵本『くだもの』や『おにぎり』を描いた二人の画家の美しい作品集。めったに出会えない貴重な一冊
福音館書店刊行の絵本『くだもの』や『おにぎり』、『落ち葉』などで知られた絵本作家である平山英三さん・和子さんの遺作集。画家であり造形作家であるお二人の軌跡を、総カラーで350ページを超える本にまとめた美しい一冊です。
植物や果物、動物、風景など、本としては未出版の絵や雑誌の挿絵、スケッチや下描き、いたずら描きなども含めた愉しく美しい作品の数々は、何度ページをめくっても見飽きることがないほど見応えがあります。
お二人ともに、全ての絵は写生に基づき、丹念に自然を見つめて描いていたそう。 自然の美しさに心底感動していたという和子さんが描いた絵を見ていると、世界と新たにであい直せたような気持ちに。素晴らしい線で描かれた英三さんの絵からは物語が立ち上がってくるようで、眺めているだけで、ひとつまたひとつと、こころに灯りがともっていきます。
娘である平山日菜さんの手記から伺えるお二人の生き様にも胸を打たれます。(以下、本文より引用)
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・「父と母は、見ること、美を見い出すこと、そしてそれを絵に描くこと、が二人にとってはそのまま生きることであったという点で、造形の世界の真摯な旅人であった。」
・「二人の造形の活動は、世俗の営みから離れた別世界のものではなく、彼らの自然との関わり、子育て、そして毎日の暮らしと深くつながっていた。」
・「父がいつも造形の世界に遊んでいる様子を指して、母は父こそ本当の芸術家であると尊敬し、それに比べて自分は職人だと言っていた。一方父は、母が対象にすっかり没入して我を忘れた状態で描き上げる作品を高く評価し、そのような母の造形に母という人間のある本質的なものを見い出していた。」
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ご夫妻でお互いを尊敬し合い、高め合いながら、素晴らしい作品をたくさん残したお二人。英三さんは、どんな仕事にも全力を注ぎ、たとえ雑誌の目次の背景にしかならないものでも、工夫を凝らした美しい絵を描いていたそう。その姿勢は全ての作品に現れており、作品を見ているだけでも、お二人の画家としての誠実な在り方が胸に迫ってきます。
製本はコデックス装。パタっと本を開いたまま机に置くことができるので、絵がよく見えて、じっくりと愉しむことができます。
一般の書籍流通には乗っていないため販売店舗が少なく、めったに出会えない貴重な本ですが、この度ご縁があり、本灯社でも販売させていただけることになりました。この機会にぜひ、この美しい本をご覧ください。贈り物にもおすすめです。
平山英三・平山和子 自然・造形・絵本の世界を歩いた二人の画家
著者:平山英三・平山和子/絵、平山日菜・杉山良子・久住和代/編者
発行:平山アート
ページ数:360ページ
仕様:21×15
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