私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE/安達茉莉子
自分にとって、心地よい生活とは?
本書は、文筆家・作家の安達茉莉子さんが実践した「生活改善運動」の記録を綴ったエッセイ集です。
「生活改善運動」とは?
日本の歴史のなかで実際にあった運動で、「自分にとっての心地よさ、快・不快を判別し、より幸福なほうに向けて生活の諸側面を改善していく自主的で内発的な運動」のこと。便利だから、はやいから、お金がかからないから・・・といった外的な要因ではなく、自分の心が喜ぶ方を選択して、暮らしを作っていこうという考え方です。
安達さんは、「生活改善運動」を知って以来、生活の中の幸福を意識するようになります。その意識がいっそう高まったのが、コロナ禍で突如勤め先がなくなった安達さんが、居候生活を経て、引っ越し先を探していたときのこと。
人生の新しい章のスタートラインに立つような気持ちで、安達さんが選んだ住まいは横浜・妙蓮寺の木造アパートでした。丘の上の見晴らしのよい場所に建っているそのアパートに入ると、「自分が幸せそうに生活している絵」がイメージできたのだそう。
新居への引っ越しを皮切りに、生活における選択の判断基準が「自分が幸せかどうか」「心地よいかどうか」にぐっとシフトした安達さんは、今まで「これでいいや」で済ませていたことをひとつひとつ点検し、時間をかけて生活と向き合っていきます。
「一日一日、絶え間なく続いていく生活こそが人生だ。生活を少しずつでも変えていけば、人生は大きく変わる。」
幸福は生活の細部に宿る。そして生活は、自分で作ることができる。
「自分にとっての心地よい生活とは?」を考えるとき、安達さんの試行錯誤と、自分の変化に真摯に向き合ったレポートが大変参考になる1冊です。
私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE/安達茉莉子
著者:安達茉莉子
装丁:矢萩多聞(Ambooks)
校正:牟田都子
出版社:三輪舎
ページ数:224ページ
仕様:B6変・仮フランス装
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