コジコジに聞いてみた。モヤモヤ問答集/さくらももこ

コジコジに聞いてみた。モヤモヤ問答集/さくらももこ

人間社会につかれたら。その悩み、コジコジに聞いてみよう!

『ちびまる子ちゃん』の作者・さくらももこさんが描くもうひとつの代表作『コジコジ』。お気楽でマイペース、たまに毒舌だけどなぜか憎めない、そんな愛すべき宇宙生命体"コジコジ"の言葉が、一問一答形式で100個収録されている問答集。2022年、東京・立川のPLAY!MUSEUMで開催された展覧会「コジコジ万博」に合わせて刊行されたポケットサイズの本です。

たとえば、どんな一問一答かというと・・・

問い:「こんなボクでも少しは役に立てるかな?」
コジコジ:「みんな役に立っているんだね コジコジは役に立ったことないよ」。

問い:「ゆううつです。」
コジコジ:「ゆううつって何?食べもの?」

問い:「将来が不安です。」
コジコジ:「コジコジは生まれたときからずーっと 将来もコジコジはコジコジだよ」

問い:「見た目がよくて、賢くて、お金を稼ぐんだから、価値ありますよね?」
コジコジ:「結局一体なんだって?」

こんな調子で、ハッとするような哲学的なことや本質を突くセリフを言ったかと思えば、「そもそもなんで悩んでたんだっけ?」と悩みの枠組みごと取っ払うような自由な発言をしたり(発言すらしなかったり!)。そんなコジコジの言葉は、「私の悩みは宇宙からみたらなんてちっぽけなんだろう!」と気づかせてくれ、本来自分の中にあるコジコジのような純粋さが、元気を取り戻すような感覚があります。

解説を寄せている、さくらももこさんと親交のあった哲学者・土屋賢二さんは、コジコジという存在を「ありえないほどの"純粋無垢"です。驚くことに、純粋無垢をつきつめると常識を根底からくつがえし、誰もが当たり前だと思って大前提にしていることを根本からひっくり返すのです」と、絶妙に言い表しています。

巻末には、本文に出てきたコジコジの言葉の出典元をまとめた収録作品リストを掲載。「いったいどんなシチュエーションでこのセリフを!?」と、コミックスをめくってみる、そんな楽しみ方もできます。

人間社会で生きていると、いつのまにかできていく"型"のようなもの。それによる心の凝りや積もっていくモヤモヤを、コジコジワールド全開でぶっ飛ばしてくれます。つかれているときでも気楽に読めてクスッと癒される1冊。おくりものにもおすすめです。

コジコジに聞いてみた。モヤモヤ問答集/さくらももこ

文・絵:さくらももこ 文(質問):永岡綾
編集:永岡綾・奥山千尋(ブルーシープ)
装丁:有山達也、山本祐衣(アリヤマデザインストア)
出版社:ブルーシープ
ページ数:112ページ
仕様:A6、並製

コジコジに聞いてみた。モヤモヤ問答集/さくらももこ
コジコジに聞いてみた。モヤモヤ問答集/さくらももこ
¥1,100
9784908356360
在庫:2