土着する/早川ユミ

土着する/早川ユミ

自然とともにくらし、争わない「土着」の生き方に学ぶ

2023年の夏から冬にかけて行われた4つのお話会の言葉をまとめた、早川ユミさんのハンドメイド本。早川さんが最近感じたこと、考えていることが写真とともに綴られた、長い手紙のような本です。

本書のタイトルである「土着する」とは、山間で小さなコミュニティで生活する山岳少数民族のくらしの在り方を表現した言葉。食べ物を自給自足し、住まいや衣類、必要な道具を手作りし、お金を介さずに物々交換や狩猟採取をしながら生きていく。彼らの生活は、今世界で起こっている戦争、暴力で支配することとは真逆の、争わない生き方だと早川さんは言います。

本書の第1章は、早川さんが2023年に訪れたポーランドとイスラエルの旅の記録。今起きているウクライナとガザの戦争のこと。強制収容所、アウシュビッツ=ビルナケウ博物館を訪れて感じたこと。イスラエルで感じた戦争の予兆が記録されています。

「アウシュビッツを訪れたり、本を読んだりして、わたしは、かならず学ぶことができるとおもう。そこから平和のきっかけをさぐり、気づいたことを伝える。こうして生まれたのが、この”土着する”の本です。ちいさなところから、つくったり、書いたりして、ちいさなこえで表現し、発信していこうと思う。」

「おなじ時代を生きてきた山岳少数民族に、長いあいだ戦争がなかった。土着するかれらは、戦争を回避する未開の戦略をもっていたというのだから、ここから、わたしは学ばなくては。」

第2章は、土着のおんなたちの生き方にふれながら、フェミニズムについて、考えます。小さな菜園で家族のたべる野菜を作り、田んぼでお米を作り、服を作り、子を生み育て、自然と向き合うくらしの中で育まれたおおらかで芯の強い生き方。あるものをあるときに食べる、蓄えない生き方。争わず、分け合い、ケアをする。土着のおんなたちの生き方は、暴力や支配、戦争とは無縁です。

第3章、高知の山の上でくらして25年、土着する生き方をつくってきた早川さんは、自然とともにくらす山岳少数民族の思想は、コロナ後、そして資本主義後の社会で目指すべき在り方なのではないかと考えます。たべものをちいさく自給自足して、服をつくり、土と繋がって安心して生きる。「100%自給自足のくらしをしよう」ということではなく、くらしの一部だけでも、手作りしたり、たべものを育ててみたり、そうすることで、自分の根っこが育ち、大きな力に頼らなくても生きていける自信がつきますし、意図しない支配からも逃れることができるはずです。

巻末には「土着する本」「音楽」「映画」「アーティスト」の一覧も収録されています。

目次

まえがき
第1章 旅と本と戦争「2度と、このような歴史が繰り返されないために」
第2章 土着するアナキズムとフェミニズムの未来
第3章 土着する「土さえあればだいじょうぶ」コロナ後、資本主義後の生き方
「土着する」ってなんだろう。
あとがき
あとがきのメモ

土着する/早川ユミ

著者:早川ユミ
発行:うずまき舎
ページ数:112ページ
仕様:B6判

土着する/早川ユミ
土着する/早川ユミ
¥2,420
2000000000037
在庫あり